会員の活動
寄稿・便り
50周年おめでとうございます
双日株式会社 代表取締役社長
藤本昌義
日商岩井社友会の皆様、社友会創設50周年を迎えられたこと心よりお祝い申し上げます。
1968年に日商岩井が誕生した5年後に、日商岩井社友会が設立されました。その当時を振り返ると、1964年に東京オリンピックが開催され、日本経済がさらに一段と高みを目指そうとしていた高度経済成長期の後半部に、日商と岩井産業が合併したことになります。その後、日本はオイルショックを乗り越えて、「Japan as Number One」と呼ばれる程までに、世界経済の中で存在感を見せていきますが、その裏には、現在の社友会の皆様のご活躍があったことは間違いありません。
日商岩井が歩んだ道のりや皆様のご活躍は、2013年に40周年を記念して発刊された記念誌「日商岩井35年のあゆみ」に詳細かつ臨場感を持って纏められており、現在の双日にも語り継がれておりますし、ボーイングやLNG、ベトナム事業などのビジネスは現在も当社の注力分野の一つとして煌々と輝いております。この双日の教科書ともいえる記念誌の発行を担当された諸星編集長はじめ関係者の皆様の当時のご尽力に改めて敬意を表します。
時代はそこから少しさかのぼりますが、先日、日商岩井の源流である鈴木商店の物語を題材とした舞台である「彼の男 十字路に身を置かんとす」が再々演されました。金子直吉や西川文蔵、高畑誠一を中心として、神戸の一商店から日本最大の総合商社にまで上り詰めていく物語を演じたものです。双日をはじめ鈴木商店ゆかりの企業30社が協賛を行い、この舞台が実現したことから、東京では当社と太陽鉱工の主催で公演を記念した舞台鑑賞会と懇親会を催し、神戸製鋼所や帝人、ニップンなど日本を代表するそうそうたる企業とその経営者の方々にお集まりいただきました。また、発祥の地である神戸でも本公演を行い、鈴木商店関連企業や神戸市役所のみならず、北海道から北九州まで全国より行政の方々にもお越しいただきました。
もう一方の源流である岩井商店においても、関連企業で構成される最勝会グループでは、月例会や社長会に加えて、昨年11月にはJLPGAステップ・アップ・ツアーである山口周南レディースカップを開催するなど、交流を深めております。
鈴木商店や岩井商店から日商岩井、そして現在の双日へと脈々と受け継がれてきた、産業界のみならず多岐にわたる各所との繋がり、一体感を改めて身に染みて感じた次第です。
さて、私は2017年に双日の社長に就任して以降、東京だけでなく各支部の例会にも参加して会員の皆様とも交流を深めさせて頂きました。どこの支部も和気あいあいとした雰囲気に包まれ、参加された方々の笑顔で溢れていたと同時に、皆様から多くの激励も頂きました。
おかげ様で、双日は来年20周年を迎えます。昨今の情勢としては、ロシアによるウクライナ侵攻が続き、物価のさらなる上昇、サプライチェーンの分断など、世の中の不確実性はいっそう増しており、今後も、ボラタイルな事業環境は当面続くと思われます。そのような中、会社はこのような環境にも屈さず、私が社長就任時に標榜していた当期純利益1,000億円超の稼ぐ力を身につける程の成長を実現してきました。これもひとえに、諸先輩方が優良な商権や事業、ネットワーク等を築き上げて頂いたおかげであり、大変感謝しております。
双日20周年の節目の年を目前にして過去最高益を実現し、当社は次なる成長のステージに歩みを進めていくわけですが、現在の中期経営計画を発表する際、私は、2030年に向けて「事業や人材を創造し続ける総合商社」になると宣言しました。時代の移り変わりに合わせて総合商社のビジネスも幾度も変わってきたわけですが、知恵やネットワークを駆使して新規事業を立ち上げ、それをハンズオンで事業経営し、発展させていく、これこそが総合商社の醍醐味でありますし、一層磨いていくべき当社の強みと考えております。
先人から受け継いできた商社パーソンとしてのマインドは変わらない一方、我々の世代も前例にとらわれず挑戦や変革を続け、次の世代へタスキをつないでいく所存ですので、皆様には、今後も双日の動向に注目し、当社の発展を温かく見守っていただければと存じます。
7月の総会や支部例会でお目にかかることを楽しみにしています。