会員の活動
東京同好会
俳句同好会
林 三平
禅寺は真つ赤な世界彼岸花
一刷けの水彩絵具秋の空
居酒屋の洩くる声や秋の暮
天高しコロナ感染激減す
出来映えに笑顔の杜氏新走り
近藤陽明
王道を行くべく銀杏落葉踏む
煤払い木彫りの象にタイ偲ぶ
風に背を押され師走の歩道橋
散り敷きて紅葉筏の石手川
テキサスの強きバーボン師走かな
谷口一郎
高らかに納めて暮の大合唱
師走晴ヘリコプターの低く飛び
亡妻の名も箸紙におき今朝の膳
駅伝に明けて箱根路おらが春
早い目の夕食すます寒の入り
坂部博志
神様にあまたの願ひ年明けり
寒椿紅さ競ひて散り急ぐ
一茶忌や夜更けて一人湯を沸かし
友訃報賀状の束も瘦せにけり
除夜の鐘我もひと撞き夢の中
横山 稔
三が日世間はコロナ我は酒
初酒は寅と乾杯よろしくと
大雪や家康様よ江戸の晴れ
山田良男
柏手が木立に響く初詣
初雪を観つつウィンナワルツ聴く
北風も背中を押せば追い風に
大晦日機械が動く町工場
元旦や見知らぬ児からこんにちは
古田陽久
除夜の鐘今年また聴く大窪寺
強運の五黄の寅とや年迎ふ
大津から京三条への初詣
薄氷の張りたる琵琶湖疎水かな
足跡を偲び迎える初日の出 (尾道林芙美子記念館にて)
野地邦雄
老人の背を裏返す小春かな
鰭酒やあやうく本音吐きさうに
冬帽子被る女の猫かぶり
着膨れて演じきつたる好々爺
今だから許せることも燗熱し